第1回 リーマンショック以後、投資環境は大きく変化した

システムの自社開発でユニークな存在として知られるFX業界大手の「クリック証券」が、この4月19日からCFD取引サービスを開始する。これまでのCFDは、海外のシステムをそのまま日本仕様にして導入したものばかりだが、同証券ははじめて独自に開発したシステムを導入している。

そこで、今回からCFD関連の著作も多い陳アソシエイツ代表の陳満咲杜氏とクリック証券社長の高島秀行氏に、8回に渡ってCFDトレードの魅力や醍醐味、リスク、そしてクリック証券が導入したCFDサービスなどについて話し合っていただいた。

陳:
CFDは、日本語で言うと「差金決済取引」になるのですが、日本でもだいぶ馴染みのあるものになってきました。簡単に言うとFX取引と同様の投資ツールですが、FX口座や証券口座を持っている人がそのままCFD取引に流れてくるというイメージでしょうか。
高島:
そうですね。FX取引や株式投資の経験がある人が圧倒的に多いと思います。
陳:
もともとヘッジファンドのような投資のプロが使っていた投資ツールを、個人投資家にも使えるようにしたものが「CFD」だと思います。問題は、なぜCFDのような高機能な投資ツールが必要なのか、ということですが、私はリーマンショック以後、投資の世界は大きく変化したのだと思っています。よりマクロ的な視点では、世界的な構造改革は今後も20年程度続くと考えています。以前のように、資産を安全な金融商品にプールしておいても増えていく時代ではなくなったわけです。年金資金などの運用を担当している保守的なヘッジファンドでさえも、今後は積極的な運用を余儀なくされるということです。
高島:
確かに自分自身で運用しなければならない時代ですね。
陳:
以前は、高度経済成長時代とか安定成長時代というように、経済の流れをある程度予想できたんです。しかし、リーマンショックを境にして将来に対する見通しが立たなくなった。こういう不透明な時代には、CFDのような高度な投資ツールを活用して、個人投資家もグローバルな視点で資産運用を考えて行く必要がある。個人投資家といえども、自分自身で対応できる投資ツールを持たなければいけない。
高島:
CFDがカバーできる運用商品というのは、世界中の金融市場が対象ですから幅広い。どこかで投資のチャンスがある、そのチャンスを生かせるのがCFDということですね。

陳:
分かりやすく言えば「マイ・ヘッジファンドを作れ」ということです。そういう意味では、CFDという高度な投資ツールは、リーマンショック以後の投資の世界には不可欠なものになっていると思います。
高島:
弊社がCFD取引に参入する経緯も、もともとオンライン証券としてFX取引や株式取引のサービスを提供してきたわけですが、株式市場はやはり経済危機をきっかけに、個人投資家にとっては厳しい状況が続いています。一方で、FX取引はマイナス局面でも利益を得ることが可能であり、また簡単に取引できる商品性が受け急成長しました。その中で、FX取引のようにどんな経済状況でも簡単に取引できる資産運用方法は何かということを模索してきました。そこで、新しい投資ツールとして注目したのがCFDだったわけです。将来的には日本人投資家が、海外企業などに直接投資することが日常的になる日がくるかもしれない。そのためには、CFDが必要不可欠だったわけです。
陳:
現在も、中国や米国への投資など個々のマーケットへのアクセスは可能ですが、CFDはそれをひとつの口座で可能に出来る。
高島:
様々な可能性を考えましたが、たとえば米国企業の個別株なら「ニューヨーク証券取引所」にアクセスしなければならないし、ニューヨークダウ先物や商品先物なら世界最大の先物取引所である「CME(シカゴマーカンタイル取引所)」という具合に、いまのような投資ツールのスタイルだと、投資商品ごとにいちいち変えなければなりません。その点、CFDはひとつの口座ですべての投資が可能になる。
陳:
CFDの最大の魅力というのは、その点でしょうね。株式、株価指数先物、コモディティなど、ボーダーレスで数多くの商品を一度に投資できる。しかも、ひとつの口座ですべて処理できる。新しい時代の投資ツールと言っていいと思います。
(文責:サーチナ・メディア事業部)


プロフィール

クリック証券株式会社代表取締役社長 高島秀行(たかしま ひでゆき)

高島秀行(たかしま ひでゆき)

クリック証券株式会社代表取締役社長。

鳥取大学工学部卒。学生時代は金融工学を専攻。証券会社にて証券営業に従事した後、アメリカへの留学を経てシステム会社・コンサルティングファーム等で、インターネットでの証券を含む金融取引システム開発の企画・コンサルティング等の業務を担当。

また、ネット銀行やPTS(私設取引システム)の設立準備を経験。

その後、GMOインターネット株式会社に入社し、2005年10月、クリック証券株式会社の前身であるGMOインターネット証券株式会社を設立。

2007年12月、商号をクリック証券株式会社に変更し、現在に至る。

(社)日本証券アナリスト協会検定会員

陳アソシエイツ代表/アナリスト 陳満咲杜(ちん まさと)

陳 満咲杜(ちん まさと)

陳アソシエイツ代表/アナリスト。

大学時代より株投資を開始。中国情報専門紙の株式担当記者を経て黎明期のFX業界へ。

香港や米国の金融機関で研修を重ね、トレーダーとしての経験を積む。マネージングディレクターやチーフアナリストを経て独立。日本、中国、台湾地域をカバーした執筆、講演、情報サービス、投資者教育などの活動に取り組んでいる。日本テクニカルアナリスト協会検定会員。

主著に「FXトレーディングの真実」(扶桑社)

「しっかり儲けるCFDトレード入門」(日本実業出版社)

「CFDトレーディングの真実」(扶桑社)などがある。